惨劇RoopeRを簡単に布教する(文章編1)
布教第1回は、既にボードゲーム界隈では有名ですが、惨劇RoopeR(さんげきルーパー)をば。
説明の難しいゲームのため、簡潔で堅苦しい文面ですがご了承ください。
【注意:この記事は「惨劇RoopeR」の紹介で、「惨劇RoopeR Χ」の内容には準拠しておりません。】
無印の惨劇を知っていて、「Χ」のことを知りたい方はこちらへ。
http://umeyun.hatenablog.com/entry/2013/05/01/214337
「Χ」の説明動画作りました
下の文をさらに細かくした、ゲーム説明用サマリーっぽいのはこちらに。(無印版)
http://ux.getuploader.com/umeyun/download/15/RoopeR_inst.pdf
●『惨劇RoopeR』前提
公式サイト http://bakafire.main.jp/rooper/sr_top.htm
惨劇コモンズ by BakaFire, 紺ノ玲
・サークルBakaFire party作成で2011年発売。現在第4版
・2013年4月28日に刷新版『惨劇RoopeR Χ(カイ)』が発売。(一番オススメ)
・対象年齢15歳以上
・脚本家1人vs主人公3人の4人ゲーム
・ルール説明抜き1.5~4時間。
・約4000円+拡張2種(計約5000円)
・playgameの記述を借りると、ゲーム性は「一対多」「隠蔽」「協力プレイ」「推理」「特殊能力・イベント」
●ルール概要
・主人公達は時間を巻き戻す、ループ能力を持つ。
・事件の犯人、キャラの役職などが隠されているゲームを脚本家(いわゆるゲームマスター)が出題し、
主人公が挑む。勝てないならループし、また戦う。
●勝利条件
脚本家が事件や特殊能力等で主人公の敗北条件を満たそうと仕掛けてくるのに対して、
・敗北条件を満たさず、
・かつ主人公が生き延びつつ、
ループ最終日を終えることができたら主人公の勝利。
脚本家の勝利条件は、毎ループ主人公の敗北条件をクリアする、又は主人公を殺すこと。
ただし、キャラ全員に隠された役職を当てられると主人公の勝ちとなる。
●公開・非公開情報
脚本家によりゲームが組み立てられる仕組みと、主人公に明かされる情報との繋がりを図表にしました。
◇惨劇セットの中身
脚本についての説明の前に、脚本家が脚本を作る大元になる、
「惨劇セット」について。図の通りです。
脚本家は、ルールYの中から一つ、ルールXの中から二つ、脚本を作るために選択します。
ルールが指定する通りに、各キャラに、役職を配置します。
割り当てられなかったキャラは「パーソン」という役職になります。
例: 惨劇セット名「Basic tragedy」(ゲーム本体付属)
ルールYの中の一つ <悪霊の封印>
・出現役職 → アクリョウツキ1人、クロマク1人
・追加条件 → ループ終了時に、神社(エリア名)に暗躍カウンター(トークン)が
2つ以上乗っていると主人公は敗北する。
ルールXの中の一つ <不穏な噂>
・出現役職 → なし
・追加条件 → 脚本家能力フェイズ(後で説明)に、好きなエリア1つに
暗躍カウンターを1つ置く(ループ1回制限)
ルールから主人公の敗北条件が出てくることがあります。
ルールYの方がゲームへの影響力が大きいです。
事件は、一日最大一つ起き、事件のない日もあります。
それぞれの事件には1人ずつ、犯人となるキャラが決められています。
1人のキャラが複数の事件の犯人にはなりません。
事件の中から二つ紹介すると、
<殺人事件> 犯人と同じエリアにいる犯人以外のキャラ1人を死亡させる。
<病院の事件> 病院に暗躍カウンターが1つ以上 → 病院にいるすべてのキャラを死亡させる。
2つ以上の場合 → 主人公を死亡させる。
ルールから出現する役職の中には、死亡したら主人公が敗北する
「キーパーソン」「フレンド」などありますので、キャラが死ぬような事件の場合、注意が必要です。
なお、惨劇セットごとに、事件リスト、ルールのリスト、付随して役職もほぼ変わります。
◇脚本の構成要素と公開情報
こんな惨劇セットがあるのを前提として、脚本家は主人公達と遊ぶ前に脚本を作ってきます。
その中身は、こんな内訳です。
役職は1キャラ1役職まで。犯人になるキャラは役職があるキャラでも構いません。
ループ回数は、一度も時間を巻き戻していない最初の周も含みます。
●で、主人公は何をするの?
こんな風に脚本は色々決められて作られています。
でも、主人公達がゲームの最初で分かる情報は、少しだけです。
最初は、手探り状態で行動することになるかも多いでしょう。
でも脚本家は、自分の勝利のために、主人公達を敗北させなければいけません。
つまり、主人公が負ける度に、どのルールや役職によるものなのか、ヒントが出るということ。
「失敗は成功の元」、というわけです。少しずつ現れる情報をつなぎ合わせて
根本となるルールを推理し、深層(真相)にたどり着きましょう。
また、何も主人公の周りは敵ばかりではありません。
脚本に登場するキャラクター達は、時に脚本家に利用されて主人公が負ける原因にもなりますが、
主人公に役立つ様々な力、「友好能力」を持っています。
ルールXや事件の犯人、キャラの役職を知ることができる能力、事件を防ぐのに役立つ能力、
そういった人達の協力を借りることができれば、時に思いもよらぬ方法で情報を暴き、
脚本家を追い詰めることもあるかもしれません。
そして、脚本家は何も解けないようなゲームがしたいわけではありません。
主人公達となるべく対等になるような脚本がほとんどです。
ループが抜けれないような場合、キャラ全員の役職を明かすのを目指す脚本かもしれません。
諦めないことが勝利への第一歩です。
●ゲームの流れ
A. ループ開始時(配置、カウンター(トークン)などを初期状態に戻す)
B. 主人公達の相談タイム(約10分)
→ 推理や今回のループの方針などを話します。基本的に脚本家も聞いています
C. ゲーム開始(1日を1ターンとする)
→ 主人公の死亡等により途中でループが終了する時はAに戻る
D. ループ最終日を終える
→ 主人公が生きており、敗北条件を満たさないなら主人公の勝利
違うならAに戻る
E. ループ数全て消費後、キャラ9名の役職を当てる「最後の戦い」に挑む。全て当たれば主人公の勝利。ループ数を使い切っていなくてもBの段階で決断し、挑むことも可能(ただしループにはもう戻れない)
●1日(1ターンの流れ)
ターン開始フェイズ: 何か脚本家がすることがあれば行う(通常ない)
脚本家行動フェイズ: 脚本家が手札から3枚、キャラかエリアにカードを伏せて置く。
主人公行動フェイズ: 同じく主人公がそれぞれの手札から1人1枚、リーダーから左順に、キャラかエリアに、カードを伏せて置く。
行動解決フェイズ: 双方のカード効果を解決する。カードが重なることで、効果が打ち消されたり、(エリア移動カードで)移動方向が変わったりする。
脚本家能力フェイズ: 脚本家がキャラの役職やルールにより発生した能力を使うことができる。
主人公能力フェイズ: キャラに友好カウンター(トークン)が所定数乗っている場合、リーダーは友好能力を使うことができる。(そのキャラの役職によっては、脚本家が能力行使を拒否することがある)
事件フェイズ: 脚本家は事件が起こるかどうかと、事件により発生する効果(例:キャラの死亡)を宣言する。
【事件について】 事件が起きるとされている日(ターン)であり、
かつその事件の犯人キャラが生きている&
そのキャラの不安臨界以上に不安カウンターが乗っている場合、事件が発生。
リーダー交代フェイズ: 左隣に交代する。
ターン終了フェイズ: 何か発生するなら脚本家は実施する。
●プレイヤー(脚本家・主人公)が操作する要素
ゲームで使われるカウンターは、不安・友好・暗躍の3種で、
あとは移動カード等の使用により下のような4マスのエリア間をキャラは移動します。
ちなみに主人公はどのキャラでもなく、どのエリアにもいないものとする。
事件は犯人と同じエリア、または特定エリアにいると巻き込まれるもの、
能力は使用者と同じエリアにいると使用対象にできることが多いのでキャラの位置は大事な要素です。
●惨劇セットの詳細
公式サイト内に、各惨劇セットのルールXYや役職などの早見表がありますので、興味を持たれましたらぜひアクセスを。 http://bakafire.main.jp/rooper/sr_dl_03_set.htm
惨劇セットごとにゲームの雰囲気や進め方が変わります。
拡張の惨劇セットだと、
ミステリーらしく双子の入れ替わりトリックを使ったり、
生きていると必ず事件を起こせるキャラが出てきたり、
ゾンビやヴァンパイアが闊歩したり、
死んだキャラが動き出したりします。
(拡張の詳細はまた別の機会でも紹介する予定)
以上です。何か誤った情報がありましたら訂正します。
次は惨劇RoopeRの楽しい点、プレーにあたっての注意点など。http://umeyun.hatenablog.com/entry/2013/04/27/110749
※ 自作図表以外の画像の著作権は私にはありませんが、http://bakafire.main.jp/rooper/sr_dl_04_sozai.htmに基づき使用させていただいております。